インタビューInterview

第339回定期演奏会 ピアノ 亀井聖矢さんインタビュー

2019年に行われた第43回ピティナ・ピアノコンペティション特級、そして第88回日本音楽コンクール ピアノ部門ともに第1位という国内の2大コンクールの覇者、亀井聖矢さんが1月29日(金)第339回定期演奏会のソリストとして出演!
披露するショパン《ピアノ協奏曲第1番》に対する想いや本公演の意気込みを伺いました。

―今回披露していただくショパン《ピアノ協奏曲第1番》に対する想いを教えてください。

このコンチェルト(協奏曲)の全楽章を弾くのは実は初めてなのですが、昔からずっと聴いていて、本当に大好きな曲です。とくに第2楽章は、どこを切り取ってもショパンの魅力が詰まっているような作品です。オーケストラに囲まれてこの作品を演奏するのは今回が初めてなので、自分の色を出しながら、ひとつのストーリーとしてこの曲をお客さんにも楽しんでいただきたいし、自分もとても楽しみにしています。

―この曲と向き合っているなかで大変だなと思うことや苦労するなと思うことはありますか?

この作品は技巧的にもとても難しいです。いろいろなテクニックが詰まっていて、それがある意味見せ場でもあるのですが、そういう部分の練習もさることながら、「歌う」部分も難しいと感じています。技巧的な部分は、聴衆にとっては弾いている姿を見るだけでも楽しめるような面もあると思うのですが、内面的な部分というのは、弾き手によっては退屈させてしまう可能性もあるというか。そういう部分をいかに音色であったり、一つひとつの音と歌としての流れと、そこにどう気持ちを込めていくかなど、かなり深く深く、自分で読み込んでいかないとなかなか味が出てこないので、そこが一番難しいと感じたところですね。そういったさまざまなことを考えながらこの曲と向き合っています。

―この作品だけでなく、いろいろな曲と並行して取り組まれていると思います。他の曲も学んでいるなかで、影響を受けていることや思うことはありますか?

いま取り組んでいるソロの曲の中で、ショパンのソナタ第3番を勉強しています。少し前に第2番にも取り組んだのですが、たとえば第2番には感情的だったり激情的に表現するようなところがあって、次の第3番になると回想するような部分が出てきます。彼の過ごした時期などによって、同じ「歌う」でも、視点や見方が全く変わってくることを、それらのソナタを通して勉強しました。 また、ショパンついて書かれた文献や、彼が当時書いたとされる手紙などを調べていくなかで、今回のコンチェルトの中で出てくる、なんだか懐かしむような、静かに思い出の場所をじっと見つめるような、そういうイメージがとくに第2楽章にあって。そういう部分はソナタの第3番に通ずる部分もあるのかなと思っているので、そういった他の作品から吸収したことやショパンが生きていた頃をイメージしたりしながら、あらゆることを絡めて考えながら自分なりの歌い方を研究しています。

―この作品はショパンが20歳の頃に作った曲で、亀井さんもちょうど同じ年齢ですが、今回この曲を演奏にするにあたり何か感じることはありますか?

ショパンは先に第2番を作り、その後にこの第1番を作曲したのですが、自分も少し作曲することもあり、特にちょうどその頃の年齢なんだなと思いますね。もちろん、当時と今とでは年齢の感覚は異なる部分もあると思いますが、同じ20歳の頃にできた作品ということで、今の自分にしかできない、等身大の姿でこの曲を表現できればと思っています。

―東京シティ・フィルとは2019年のピティナの特級、そして日本音楽コンクール以来の共演ですが、当時感じたオーケストラの印象と、いま東京シティ・フィルとどう共演したいと思っていますか?

あの2つのコンクールが本当に僕の原点というか、あのとき初めて共演させていただいたのが東京シティ・フィルさんで、これまでの人生で一番楽しかった舞台でしたね。自分で弾き終わって感動したと言ったらなんだか違うのかもしれないのですが、一番自分の中で記憶に残っている舞台を2つともご一緒させていただけたので、今でも鮮明に覚えています。どちらも自分が大好きなサン・サーンスのピアノ協奏曲第5番で共演させていただきましたが、指揮者の方が変わると自分もその都度勉強しますし、オケとの対話という面でも全く違ってくることをすごく感じました。

第43回ピティナ・ピアノコンペティション特級 全国決勝大会での演奏風景 ©平舘平

圧倒的な演奏で観客を魅了した亀井さん ©平舘平

今回またガラッと雰囲気のちがうショパンで共演させていただけるので、自分もあれから一年経っていろいろと考え方が変わってくるなかで、リハーサルから本番までどういうふうになるのか、楽しみでもあります。ずっと名曲として弾き継がれている作品なので、この曲がもつ良さを自分の意思や自分なりの解釈で、東京シティ・フィルさんと一緒に創り上げていけたらなと思います。

亀井聖矢 Masaya Kamei
2001年生まれ。4歳よりピアノを始める。
第88回日本音楽コンクールピアノ部門 第1位及び岩谷賞(聴衆賞)、増沢賞、野村 賞、井口賞、河合賞、三宅賞、アルゲリッチ芸術振興財団賞、第43回ピティナ・ ピアノコンペティション特級 グランプリ及び聴衆賞、文部科学大臣賞、スタイ ンウェイ賞、第9回福田靖子賞、第6回アリオン桐朋音楽賞、他受賞。
渡邊一正氏、山下一史氏、太田弦氏、大友直人氏、東京シティ・フィルハーモ ニック管弦楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響 楽団、東京交響楽団、千葉交響楽団等と共演。
Bruno Leonardo Gelber、Maria Joao Pires、Rena Shereshevskaya、Jean-Marc Luisada、 Dina Yoffe各氏等のレッスンを受講。
これまでに青木真由子、杉浦日出夫、現在、上野久子、岡本美智子、長谷正一の 各氏に師事。
愛知県立明和高等学校音楽科を経て、飛び入学特待生として桐朋学園大学に入 学。現在桐朋学園大学2年在学中。

第339回定期演奏会

2021年1月29日[金]19:00開演(18:00開演)サントリーホール 大ホール

出演

指揮:飯守 泰次郎(桂冠名誉指揮者)
ピアノ:亀井 聖矢*

曲目

モーツァルト:歌劇「劇場支配人」K.486 序曲
ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11*
チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 作品64

主催:一般社団法人東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術創造活動活性化事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会 
後援:一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)

第339回定期演奏会 公演詳細

2021.9

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初秋のクラシック・コンサート 17:00開演
新国立劇場 中劇場
指揮:高野 秀峰
指揮・バリトン:深見 東州
ソプラノ:大貫 裕子
テノール:所谷 直生
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