指揮者 岩村 力さんより
2/25(土)第28回ティアラ定期演奏会にご出演いただく、岩村 力さんよりメッセージをいただきました。
光と影の旋律 西村 朗
この曲は、西村氏ご本人のお言葉によれば、氏がヴァンクーヴァーに滞在された際の街並みとそのすぐ背後に聳え立つ峰々の描き出す美しい光景に楽想を得られたとのこと。私はかの地に降り立ったことはないけれども、夕暮れ時に、息を呑むような大自然が織り成す「光と影」の饗宴は想像するだけでぐっときてしまう。
およそ12年前の初演時、私は副指揮者という立場でリハーサルに携わり、この曲が産まれる瞬間を共有させて頂いた。いま思えばなんと幸せな瞬間の連続であっただろうか。山々に反射する光の束、時間の経過と共に変わりゆく色合いと明るさ、影の輪郭が合わせ持つ印象の移り変わり……情景を描き出すためのパラメータは無数に存在するとしても、実際に、目の前にあるスコアからオーケストラを媒介としてあふれ出てきたサウンドに、心を揺さぶられながら溶け込んでいったのが忘れられない。
光と影。光があって初めて影が生まれ、影があるからこそ光を意識できる。分け隔てることのできない、しかも同時に存在しうる二つの要素。命あるものの「生と死」につながる要素であろう。
大震災からもうすぐ一年が経つこの日に、私たち全員でいろいろな意味をかみしめつつ今回のコンサートに臨みたい。
指揮者・岩村 力
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